厚生労働省の「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」は7日、ストレスをはじめとする労働者の抱える心の健康の不調を、医師が確認できる機会を職場で作るなどとした報告書をとりまとめた。
報告書では、労働者のプライバシー保護や、メンタルヘルス対策の結果により人事や処遇で不利益を受けないようにすることを重視。一般の定期健康診断などの機会に、「食欲がない」「よく眠れない」などの身体的症状や「憂鬱だ」「イライラしている」などの心理的症状などを医師が確認し、面接が必要と判断した場合は、事業者に伝えず本人のみに通知するとした。
面接内容は事業者に伝えず、時間外労働の制限や作業転換などが必要な状態と医師が判断した場合も、事業者に意見を述べるためには労働者の同意が必要としている。
当初は定期健康診断の項目にメンタルヘルスの項目を加えることも検討されたが、検診結果は事業者への報告が義務づけられていることから、検討会は検診の枠外で行うこととした。報告を受けた厚労省は今後、審議会で心の健康問題に対応する制度新設に向けた議論を開始する方針。
自殺やうつ病に起因する経済的損失が、2009年の1年間で2兆6782億円に上ることが7日、国立社会保障・人口問題研究所の推計で分かった。自殺やうつ病がなくなれば、今年の国内総生産(GDP)を1兆6570億円引き上げる効果もあるとしている。
政府の自殺総合対策会議(会長・仙谷由人官房長官)が同日開かれ、長妻昭厚生労働相が結果を報告。同会議は自殺対策を集中的に進めるため、閣僚らでつくる作業部会の設置を決めた。同研究所によると、自殺やうつ病による経済的損失について、詳細な推計を行ったのは初めて。推計では、2万6539人に上った69歳以下の自殺者によって、労働者の生涯所得1兆9028億円が失われたと試算。これに医療費2971億円、生活保護費3046億円など、うつ病がなくなることによって減少する給付コストを合計し、09年の損失額を2兆6782億円と見積もった。
また、同研究所は自殺やうつ病の防止を図れば労働人口が増加するとし、自殺者数が10年以降にゼロになったと仮定した場合と、現状のまま推移した場合とで生じるGDPの差も調べた。その結果、自殺やうつ病を防ぐことによるGDPの引き上げ効果は同年で1兆6570億円と算出。20年には3兆2480億円に上るとした。
うつ病で8年前に自殺した川崎重工業(本社・神戸市)の男性社員(当時55)の妻(63)が、自殺を労災と認めないのは不当だとして、遺族補償年金などの不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が3日、神戸地裁であった。矢尾和子裁判長は「社内で置かれた地位から心理的負担が強まった」と述べ、処分を取り消した。
原告側代理人の松丸正弁護士(大阪弁護士会)は「時間外労働の量ではなく、ポストの重要性から生じた心理的負担を労災と認めた判決は珍しい」と話している。
判決によると、男性は1998年1月、鉄道システム受注のために新設された部門で見積もりなどを担当するグループの責任者に就き、韓国での400億円規模のプロジェクトに取り組んだ。しかしプロジェクトは不調に終わり、うつ病で02年5月に自殺した。神戸東労働基準監督署は自殺と仕事の間に関係は認められないとして、労災と認定しなかった。
政府が2011年度からの導入を目指す、企業の健康診断でうつ病などの精神疾患の兆候を調べる制度の概要が明らかになった。
医師の問診に、うつ病などの兆候である不眠や頭痛の有無などを盛り込み、所見があれば専門医が診断する。プライバシーに配慮して企業側には所見の有無だけを伝え、詳細は伝えない方針だ。
企業の健康診断に精神疾患に関する項目を盛り込む方針は、長妻厚労相が4月に表明し、厚生労働省が実施方法を検討してきた。その結果、健診項目に精神疾患の有無を盛り込めば、専門医の判断が不可欠となることから、すべての企業に実施を求めることは困難と判断。うつ病などの兆候として表れる自覚症状のチェックにとどめ、所見があった場合だけ専門医の診断に進むという2段階で実施することとした。
人事院は27日、うつ病など精神疾患で長期間仕事を休んでいる国家公務員の職場復帰支援策として、正式な復職の前に試験的に働く「試し出勤」制度を導入する方針を決めた。中央省庁では心の病による長期病休者の増加が深刻化しており、職場に慣れる準備期間を設けることで、円滑な復帰を後押しするのが狙い。年度内をめどに始める。
試し出勤制度はリハビリ出勤などとも呼ばれ、職場復帰への不安軽減などに効果があるとされる。同様の取り組みをしている企業や地方自治体も多く、最初は半日勤務から始め、徐々にフルタイム勤務に戻すといったやり方がある。
人事院は今回、長期病休中の職員が職場復帰する前の1カ月程度の間、試し出勤ができるようにする方針。その間は無給扱いとする。同制度については厚生労働省も昨年3月、心の病で休業した従業員の職場復帰支援策をまとめたマニュアルの中で、早期の復帰に効果があると紹介している。
公立の小中高校と特別支援学校で中途退職する教員が全国で毎年1万2千人を超え、この5年間では6万7千人に及ぶことが、全都道府県・指定市の教育委員会への朝日新聞の調査でわかった。こうした数字は文部科学省も把握しておらず、実数が明らかになったのは初めて。
退職理由など詳しい状況は不明だが、久冨善之・一橋大名誉教授(教育社会学)は「子どもや保護者らとの関係に悩み、事務作業なども増える中で『やめたい』という気持ちに傾く教師が増えているのではないか。成果主義による教員評価の導入なども背景にある」とみている。
2005~09年度の状況を調査。愛知、徳島両県と浜松市は「データが残っていない」などとして05、06年度分については回答がなかった。
調査結果によると、中途退職者の総計は05年度1万2542人、06年度1万3865人、07年度1万4484人、08年度1万3445人、09年度1万2732人。全教員に占める09年度の退職率は1.51%だった。
警察庁は6日、今年1~6月に全国で自殺した人が1万5906人(速報値)に上ると発表した。昨年同期比で1280人の減だが、依然年間3万人超のペース。
今年上半期の自殺者のうち、約7割に当たる1万1354人が男性。月別では、企業の決算期で雇用契約が切れる年度末の3月が最多の2932人だが、昨年9月から10か月連続の減少となっている。
都道府県別で多いのは、東京都269人、大阪府171人、愛知県153人など。北海道で昨年同期より40人減の121人、神奈川県で30人減の135人となるなど、計23道府県で昨年同期を下回った。
NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」の清水康之代表は、自殺対策の啓発活動や相談窓口設置などの効果が出ているため、とする一方、「国や自治体が気を緩めれば、一気に増加に転じかねない」と指摘している。
医療機関で処方された向精神薬を飲んで自殺を図る人が増えている問題で、長妻昭厚生労働相は29日、向精神薬の過量服薬による自殺や自殺未遂を防ぐ対策づくりに乗り出すことを表明した。省内のプロジェクトチーム(PT)で来月から検討を始め、8月中に具体策をまとめる。
長妻厚労相はこの日の閣議後会見で「われわれもうつ病などに対する薬漬け医療に問題意識を持っている」と述べた。省内に設置されている「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」で、過量服薬と自殺・自殺未遂の問題に詳しい専門家の意見を聞き、医療機関の安易な大量処方や、患者の過量服薬を防ぐ方法を検討する。
仕事上のストレスが原因によるうつ病など精神疾患に関する09年度の労災請求件数が、前年度比209人増の1136人(うち自殺157人、前年度比9人増)と過去最多となったことが14日、厚生労働省のまとめで分かった。精神疾患の労災認定は前年度比35人減の234人(うち自殺63人、同3人減)だった。申請が急増する中、認定は減少しており、認定のあり方に疑問の声も出ている。
厚労省のまとめによると、精神疾患の請求で労災が認定された率は年度をまたぐケースを含め27・5%(前年度比3・7ポイント低下)。認定の年代別では、30代が75人(前年度比1人増)で最多、次いで40代(57人)、20代(55人)だった。このうち自殺での認定は、40代が最多の20人(前年度比5人増)だった。
請求は全年代で前年度を大きく上回ったが、特に30代(364人)、40代(316人)の働き盛りで増加した。20代、30代は自殺の請求が増えた。決定内容に不服がある場合に行う審査請求は281人(同28人増)で、05年度の倍近くあり、決定への不満が目立った。
肥満や血糖値、血圧などの異常が重なるメタボリック症候群の男性は、そうでない男性に比べ、うつ病になる恐れが2倍以上であることが、九州大学の調査でわかった。メタボの男性はうつ病かどうかを早めに調べ、治療につなげることが重要だと、研究チームは指摘している。
九大が40年以上にわたり、住民の生活習慣と病気との関係を調べている福岡県久山町でのデータを分析した。
2007年の健診で腹囲や血圧などを測定した40歳以上の男女3025人に、うつ病の診断に使われる質問票に答えてもらい、抗うつ薬を飲んでいるかなどを尋ねた。
男性でメタボだった364人のうち、7.3%にうつ状態が見られた。メタボでない910人では2.8%。統計的な補正をするとメタボの男性はリスクが2.3倍だった。おなかのサイズが大きい人、善玉コレステロールの値が低い人に、その傾向が特に強かった。女性は、うつ状態とメタボの関連性は見られなかった。
政府は11日午前の閣議で2010年版自殺対策白書を決定した。09年は08年に比べ失業や生活苦による自殺が急増しており、国や自治体による相談窓口充実を提言した。
白書に盛り込んだ警察庁の統計によると、09年の自殺者は3万2845人。原因別で見ると「失業」は1071人で前年比65・3%増、「生活苦」は1731人と34・3%増となった。白書は、相談窓口の利用を促す効果的な広報活動の展開や、多重債務者への低利貸付制度の拡充が重要だと訴えている。
また秋田県は50歳以上の自営業者の割合が高いなど各地域で自殺者の職業、年代などに特徴があるとして、それぞれの実情に応じた対策が必要と強調した。
このほか内閣府自殺対策推進室が初めて海外の現地調査を実施したフィンランドの取り組みを紹介。自殺対策を「国家プロジェクト」と位置付け、警察や職業安定所と協力した各種相談窓口のネットワークなどが自殺者減少につながっていると報告した。
厚生労働省の自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム(PT)は28日、職場におけるメンタルヘルス(精神衛生)対策の充実や、精神疾患の患者に対する訪問支援などを柱とした自殺防止策をまとめた。今後、自殺対策を推進する内閣府とも連携し、政府の総合的な対策として具体的な検討作業に入り、11年度からの実施を目指す。
メンタルヘルス対策では、職場での健康診断の検査項目に精神疾患を発見するための項目を加え、このための労働安全衛生法改正も検討している。不調者を把握した場合は、労働時間の短縮や休業、職場復帰などの対応が適切に行われるよう、精神科医らが産業医などを対象に研修を実施する。だが、人事面などで不調者が不利益を受けないための配慮も必要だとしている。
警察庁は13日、昨年1年間に全国で自殺した人は前年比1.8%増の3万2845人だったと発表した。12年連続で3万人を上回った。50代、60代の割合が相変わらず高いが、40代は前年より5.9%増で、増加ぶりが目立った。「経済・生活問題」が原因の自殺も増え、不況が暗い影を落としている。
同庁が1月に公表した速報値より総数は92人増えた。
男女別では、71.5%に当たる2万3472人が男性で、前年より2.8%増えた。
年齢別では、50代が最多の6491人で、全体の19.8%を占めた。次いで60代が5958人(18.1%)、40代が5261人(16.0%)の順に多かったが、前年比では、40代(5.9%増)が60代(3.9%増)や50代(2.0%増)の増加率を上回った。
国内の患者数が100万人を超えたうつ病の治療について、読売新聞が3~4月、全国の精神科診療所にアンケート調査を行ったところ、7割が「日本のうつ病治療は薬物に偏っている」との認識を示した。
多すぎる薬の服用による副作用や、薬だけでは治りにくい患者の増加など、近年指摘されている課題が反映された形だ。
調査は日本精神神経科診療所協会加盟の1477施設に行い、119施設から回答を得た。日本のうつ病治療の多くは薬物治療中心だが、調査では、薬物偏重の傾向があると「強く思う」が19%、「ややそう思う」が54%と、7割が懸念を示した。
政府と労働、経済界が雇用情勢について協議する「雇用戦略対話」の作業部会が19日、内閣府で開かれ、2020年までに達成を目指す雇用関係の目標値を決定した。20~64歳の就業率を74・6%(09年)から80%に、フリーターを約178万人(09年)から124万人に、年次有給休暇取得率を47・4%(08年)から70%とすることなどが柱だ。
目標値は6月に策定する政府の新成長戦略に盛り込む方針。このほか、25~44歳の女性就業率を66%(09年)から73%に、60~64歳の高齢者の就業率を57%(09年)から63%に、男性の育児休業取得率を1・23%(08年)から13%に、メンタルヘルス(精神衛生)に関する措置を受けられる職場の割合を33・6%(07年)から100%にそれぞれ引き上げることなどを目標値として掲げた。
ただ、最低賃金の引き上げに関する目標値については結論を先送りした。
政府は職場でのストレスなどを原因としたうつ病など精神疾患の広がりに対処するため、企業や事業所が実施する健康診断に精神疾患を早期に発見するための項目を盛り込む方針を固めた。
また、企業などのメンタルヘルス(精神衛生)対策を指導する国の専門職員の研修時間を2倍以上に増やすなど、精神疾患対策に本格的に取り組む。
対策は、厚生労働省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が今月中にもまとめる提言に盛り込まれる予定で、政府は総合的な自殺防止対策の一環として2011年度からの実施を目指す。
全国の3月の自殺者は、前年同月比で205人少ない2898人だったことが16日、警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。昨年9月以降、7カ月連続で減少した。
例年、3月は自殺者が増える傾向にあるといい、2月と比べると483人増加した。
今年1月からの累計は7815人となり、前年同期より445人少なかった。
都道府県別の累計自殺者は、長崎(29人増の118人)、群馬(23人増の155人)、石川(22人増の77人)、愛知(21人増の415人)など17県で増加した。
生活保護を受けている人の自殺率が、2009年は10万人当たり62.4人と、全国平均の2倍を超えることが9日、厚生労働省の調査で明らかになった。生活保護受給者の自殺率を出したのは初めて。うつ病など精神疾患がある人の割合が高いことが背景にあると見られる。
07年から09年について全国の福祉事務所の報告をまとめた。3年間の自殺者は計2465人で、10万人当たりの自殺率は07年が38.4人、08年が54.8人、09年が62.4人と年々増加。08年の全国平均(25.3人)を大きく上回った。
3年間に自殺した受給者の66.2%に精神疾患があり、全人口に占める精神疾患の人の割合(推計2.5%)と比べて高かった。同省は今後、福祉事務所に精神ケアの専門家を増やすことなどを検討する。
文部科学省の専門家会議は8日までに、児童生徒が自殺した場合の学校の対応方法を示した初めてのマニュアルを作成した。教職員で対応チームを作ることや、原因究明のため発生直後から背景調査に着手することなどを提案している。
近く全国の教育委員会や小中高校に配布する。自殺防止に向けた手引は既にあるが、過去には学校側の対応のまずさから遺族が不信感を募らせた事例も少なくないため、作成に踏み切った。
文科省は「日ごろから目を通し、危機対応の一つとして備えてほしい」としている。
年間3万人を超える自殺者対策として、長妻昭厚生労働相は3日、うつ病など精神疾患がある患者への支援策などを盛り込む「精神保健医療のビジョン」を年内に取りまとめる考えを明らかにした。そのうえで、「来年度予算でも一定のものは反映できるようにしたい」と述べた。都内で記者団に明らかにした。
厚労省の自殺とうつの対策を検討するプロジェクトチームが月内にも中間報告をまとめる予定。それを受けて、精神疾患患者や家族ら当事者の意見を踏まえてビジョンをまとめる方針だ。
長妻氏は同日、精神疾患の患者や家族らが集まった会議に出席し、「どなたも精神疾患になる可能性があるという前提で、取り組んでいく必要がある」と対策を強化していく考えを示した。
睡眠障害や飲酒行動に問題がある人は、自殺する危険性が通常よりそれぞれ28倍、3倍も高いことが、厚生労働省研究班(研究代表者=加我牧子・国立精神・神経センター精神保健研究所長)の調査で明らかになった。
研究班は2007年12月~09年12月、自殺した76人(15~78歳)の生前の様子について、遺族から聞き取り調査を実施(複数回答)。うち49人について、一般人145人と比較検討した。
その結果、睡眠障害などのほか、うつ病などの気分障害は通常より6倍、死に関する発言をした人は同4倍、不注意や無謀な行為のあった人は同35倍も自殺の危険性が高かった。
NEC(東京都港区)の元部長=当時(52)=が自殺したのは過重な業務で発症したうつ病が原因として、妻(54)が国に労災認定を求めた訴訟の判決で、東京地裁は11日、遺族補償年金を不支給とした三田労働基準監督署の処分を取り消し、労災と認定した。
青野洋士裁判長は、元部長は自殺までの約8カ月間、ほぼ月に100時間以上残業していたと指摘。目標が達成できない事業の責任者として、重い心理的負担を受けていた上に、極度の長時間労働をしたことが原因でうつ病になったとして、業務との因果関係を認めた。
2006年6月に新任2カ月で自殺した東京都新宿区立小学校の女性教員=当時(23)=について、地方公務員災害補償基金東京都支部審査会が公務災害を認めたことが5日、分かった。審査会は、学校側の支援が不十分で強度の精神的ストレスが重なったと判断した。
審査請求していた両親らが記者会見して明らかにした。代理人の川人博弁護士は「新任教員の自殺が公務災害と認められたのは珍しい。同様の事案の認定に影響するだろう」と評価した。
父親は「信頼し合える同僚との関係があれば、こんな悲劇は起きなかった。若い先生を支えるシステムをつくってほしい」と訴えた。
自殺対策強化月間が始まった1日朝、福島瑞穂内閣府特命担当相らが東京都港区のJR新橋駅前で、通勤途中のサラリーマンらに向けた街頭キャンペーンを実施した。
年間3万人を超える自殺者は年度末の3月が最も多く、自殺者の約4割が40~60代男性であることから、中高年男性に的を絞った。不眠がうつ病の兆候とされていることから、「お父さん眠れてる?」と問いかけるチラシが入ったポケットティッシュを配った。テレビCMも1日から2週間放映される。
福島担当相は「最近疲れているかなと気づいてもらうための(睡眠)キャンペーン。雇用、社会保障などの施策をしっかりやっていくというメッセージとしても伝えたい」と話した。
横浜市の田村幸久教育長は25日の市議会本会議で、うつ病などの精神性疾患が原因で休職している市立校の教員が4年で倍増したことを明らかにした。
新年度から市立校40校に出張カウンセラーを派遣したいとしている。
市教委によると、精神性疾患で休職した教員は、2004年度の73人(市教員全体の0・52%)から、08年度は2倍の146人(同1%)に上っている。文部科学省がまとめた全国平均も、同期間の推移で0・29%から0・59%に増えているが、市は全国と比べても割合が高い。
自殺の背景に鬱(うつ)病など精神疾患が増えていることを受けて、厚生労働省は21日、省内の関係部局などによる「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム(PT)」を設置し、初会合を開いた。会合で長妻昭厚労相は「日本は先進国の中でも若年層の自殺が多い。厚労省としても有効な対策を打ち出したい」とあいさつ。NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」代表で内閣府参与の清水康之氏らも出席し、3月中に対策の中間的なとりまとめを目指すことを確認した。
自殺対策をめぐっては内閣府が昨年11月、自殺者が最も増える3月に自殺防止キャンペーンを展開するなどの「自殺対策100日プラン」をまとめている。PTは内閣府と連携を取りながら、精神医療や職場のメンタルヘルス対策の充実など厚労省としての対策を検討する。
2008年度に病気のため休職した全国の公立学校の教職員は8578人と前年度より509人増え、過去最多を更新したことが25日、文部科学省の調査でわかった。このうち、うつ病や適応障害といった精神疾患は5400人で、前年度比405人増とこちらも過去最多を更新。病気休職全体の63%を占めた。
精神疾患による休職は、10年前に比べると3.15倍に増えている。各教育委員会の聞き取り調査では「生徒指導の問題や教育内容の変化についていけない」「教員同士のコミュニケーションが少なく相談相手がいない」といった訴えが目立ったという。
警察庁は25日、今年1~11月の自殺者が3万181人(暫定値)となったと発表した。12月を残して12年連続で3万人を超えた上、通年で3万2249人が自殺した昨年同期より445人(1.5%)多い。
自殺者は、月別で前年との増減が比較できるようになった今年1月から8カ月連続で昨年を上回った。完全失業率(季節調整値)が5年5カ月ぶりに5%台に乗った4月や5月は、昨年より200人近くも増えたが、9月以降は景気が急速に悪化していた昨年を3カ月連続で下回っている。
1~11月の自殺者のうち、男性は2万1566人、女性は8615人。
うつ病患者の6割が身体的な痛みを感じるものの、患者の多くに痛みがあると考える医師は3割強にとどまることが、製薬会社2社による「うつの痛み」情報センターのインターネット調査で分かった。痛みが原因で、半数以上の人が年に1カ月以上仕事を休んでいた。
調査は昨年12月、過去5年以内にうつ病と診断され治療薬服用中の有職者と、月1人以上うつ病患者を診察している医師それぞれ約300人を対象に実施した。うつに伴う体の痛みを経験した患者は59.9%、なしが40.1%。一方、痛みが多くの場合にある、または常にあると認識している医師は33.6%だった。
抑うつなどの症状が続くうつ病の患者数(躁(そう)うつ病を含む)が、初めて100万人を超えたことが3日、厚生労働省が3年ごとに実施している患者調査でわかった。
長引く不況などが背景とみられる一方、新しい抗うつ薬の登場が患者増につながっていると指摘する声もある。
患者調査によると、うつ病が大半を占める「気分障害」の患者数は、1996年に43万3000人、99年は44万1000人とほぼ横ばいだったが、2002年調査から71万1000人と急増し、今回の08年調査では、104万1000人に達した。
10年足らずで2・4倍に急増していることについて、杏林大保健学部の田島治教授(精神科医)は、「うつ病の啓発が進み、軽症者の受診増も一因」と指摘する。
電気設備工事大手「九電工」(福岡市)の社員だった福岡県内の男性(当時30)の自殺は過労が原因だとして、妻(34)や両親が同社に損害賠償など約1億1900万円の支払いを求めた訴訟の判決が2日、福岡地裁であった。岩木宰(おさむ)裁判長(小田島靖人裁判官代読)は「長期間、過重な時間外労働で疲労を蓄積させた結果、うつ病を発症し、自殺した」と過労と自殺の関係を認め、約9900万円の支払いを同社に命じた。
判決によると、男性は1998年4月に九電工に入社し、空調衛生施設工事の現場で施工管理に当たっていた。2003年8月からは福岡・天神のビル新築工事の現場を担当。04年9月、自宅マンションで自殺した。九電工側は「男性はうつ病を発症しておらず、負担が重い業務でもなかった」と主張していた。
社会の所得格差が大きくなると、貧困層だけでなく中間層や高所得層でも死亡する危険性が高まることが、山梨大の近藤尚己助教らの大規模なデータ分析で分かった。社会のきずなが薄れ、ストレスが高まるのが原因らしい。英医師会誌に発表した。
社会の格差が寿命などに悪影響を与える「健康格差」の報告が最近相次いでいる。慢性的なストレスが自律神経やホルモンの働きを乱して、免疫機能を下げたり、血圧や血糖値を上げたりするのが原因と考えられている。
近藤助教らは、日米欧などで研究された論文約2800本を調査。その中で信頼性が高いと判断した28本の計約6000万人のデータを解析し、格差が健康に与える影響を検証した。その結果、格差の指標となるジニ係数が「格差が広く意識され始める」目安とされる0・3を超えると、0・05上がるごとに、一人一人が死亡する危険性が9%ずつ増えていた。影響はどの所得層や年齢層でも、男女ともに表れた。
夫を過労自殺で亡くした京都市の女性が18日、国を相手に、過労死などで労災認定を受けた人の勤務先企業名を開示するよう求める訴訟を大阪地裁に起こした。弁護団によると、過労死をめぐり企業名の開示を求める訴訟は初めて。
訴えたのは「全国過労死を考える家族の会」代表の寺西笑子さん(60)。1996年に夫が自殺、2001年に労災認定された。訴状によると、寺西さんは今年3月、大阪労働局管内で02~08年度に脳血管疾患や虚血性心疾患で労災認定された人が働いていた企業名の情報公開を請求。企業名は不開示とされたため、決定の取り消しを求めた。
厚生労働省は労災認定の件数は公表しているが、個人の特定につながるなどとして企業名は公表していない。
寺西さん側は「開示によって労働条件を改善させる利益の方が大きい。企業を社会的な監視の下に置くべきだ」と主張している。
大阪労働局の話 訴状が届いていないので、コメントは差し控えたい。
鳩山内閣は17日、「09年版自殺対策白書」を閣議決定した。08年中の自殺者は3万2249人で前年より844人減ったが、学生・生徒(小学生を含む)は99人増え、統計をとり始めた78年以降最多の972人となった。学生・生徒の自殺は03年以降、増加傾向にある。
前年比11.3%増で、サラリーマンなど職業別の集計の中で唯一、増加した。自殺の理由(1人あたり複数)が特定された中では、学業不振や進路の悩みなど学校問題が337人、うつ病など健康問題が284人、家庭問題が81人だった。
学生・生徒の自殺は全体に占める割合は大きくないものの、いじめを苦にした自殺や連鎖的な傾向が見られるなどの問題があると白書は指摘しており、子どもが悩みを打ち明けたいときに打ち明けられるシステムづくりが重要だとしている。
東京都の公立学校教職員のうち、精神系疾患で病気休暇を取得したり休職している教職員に支給されている給与が年間で総額約60億円に上ることが5日、都教育委員会の調査で分かった。精神系疾患による休職者は全体の約7割に上り、全国平均を上回るペースで急増している。休職者の約70%が病欠を取得するまで受診していない実態も判明。事態を重視した都教委は今後、全国の教委で初めて、メンタルヘルスチェックを健康診断に組み込むなど、早期発見・治療が可能なシステム構築に乗り出す。
1年の「試用期間」のうちに、教壇を去った公立学校の新人教員が08年度は過去最多の315人(前年度比14人増)に上ったことが、文部科学省の調査で分かった。うち約3割の88人は精神疾患を理由に退職していた。文科省は「イメージと現実とのギャップで自信を喪失し、うつ病などになるケースがある」とし、相談相手となるべき先輩教員らの支えや目配りを求めている。
教員は、一般の地方公務員(半年)より長い1年の「条件付き採用期間」を経て正式採用が決まる。08年度は小中高校、特別支援学校などで2万3920人が採用され、このうち1年後に正式採用に至らなかった315人は1.32%(前年度比0・06ポイント減)を占めた。10年前(98年度)は0.27%の37人で、8.5倍に達している。
315人のうち依願退職者は304人(前年度比11人増)。病気が理由だったのは93人で前年度より10人減ったが、5年前の10人、10年前の5人と比べると急増ぶりが際立つ。文科省が今回初めて精神疾患の人数を調べたところ、「病気」の95%を占めた。
旧J-フォン(現ソフトバンクモバイル)の社員だった小出堯さん=当時(56)=がうつ病にかかり自殺したのは、不当な配置転換などが原因として、名古屋市に住む妻典子さん(61)が2日、国を相手に、労災認定を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。
訴状によると、小出さんは顧客の苦情対応などを担当していたが、1994年11月ごろに過重労働からうつ病を発症。病気が治っていないのに2002年12月には、倉庫で在庫管理などを担当する部署に不当に配置転換され病状が悪化、約1週間後に自宅で首をつって自殺した。
典子さんは07年7月、名古屋西労働基準監督署に労災認定を求め、遺族補償年金の支給を請求したが、同労基署は今年4月、業務とうつ病との因果関係を認めず不支給処分とした。
相模原市はメンタルヘルス対策に重点を置いた職員健康管理指針を新たに策定した。病気休業職員が増加傾向にある中、2010年4月の政令市指定都市移行に備え、市民サービスの向上を図るために、まず職員の心と体の健康維持を目指す。
市職員厚生課によると、長期(30日以上)の病気休業職員数はこの数年増加傾向にあるという。2007年度129人だった休業職員は08年度は20人増え、149人になった。ともにメンタル疾患による休業は約半数になる。また、08年度の6カ月以上の長期休業はメンタル疾患が35%、身体疾患が12%でメンタル疾患による長期休業の実態が浮かび上がった。
指針では、メンタルヘルス対策に重点を置き、病気職員の増加抑制や円滑な職場復帰を図るため健康意識の向上(セルフケア)、職場づくり(上司によるラインケアと、同僚によるアソシエイトケア)、専門的な支援―などの目標を掲げている。
福岡県筑後農林事務所の男性職員(当時26)が自殺したのは過労によるうつ病が原因だったとして、男性の父親が地方公務員災害補償基金に対し、公務災害と認めなかった処分の取り消しを求めた訴訟の判決が28日、福岡地裁であった。岩木宰(おさむ)裁判長は「男性は自殺につながるほど重い心理的負荷を強いられていた」と述べて過労と自殺との因果関係を認め、処分を取り消した。
日本産業カウンセラー協会が先月実施した「働く人の電話相談」で、昨年の倍の相談が寄せられ、経済的困窮や自殺関連など深刻な内容が増えていることが2日、同協会のまとめで分かった。
原康長専務理事は「今の日本で働く人々の悩み、苦しみが結果に表れている。命と暮らしを守る取り組みが急務だ」と話している。
電話相談は9月中旬の自殺予防週間に合わせ、10~12日の3日間、全国13支部で実施。件数は1093件で、昨年(535件)の倍だった。
相談項目で最も多かったのは、将来の悩みなど「生き方」に関するもの(107件)で、次いで「経済的な問題」103件、「うつ」97件。経済的問題は昨年の3.3倍、うつやメンタルヘルス関連は2.7倍に増加した。
中高年男性の自殺に飲酒が関係――。国立精神・神経センター自殺予防総合対策センター(東京)が遺族から聞き取り調査した結果、こんな傾向が浮かび上がってきた。自殺する1年以内に、アルコールで仕事に支障をきたすなどの問題を抱えていた事例が目立ったという。
主に06年以降の自殺者について、精神科医らが遺族から自殺に至った経緯などを聴き、自殺の背景を分析。結果がまとまった男女43事例をみると、中高年(30~64歳)の男性26人のうち、9人がアルコール問題を抱えていた。平均飲酒量は1日あたり日本酒換算で3.5合。大半は依存症にあたる状態で、うつ病にもかかっていた。
同センターは、「アルコールが衝動性を高め、行動に移す危険を高めている。今まで焦点が当てられてこなかったアルコール問題への対策が必要だ」と指摘。職場の健康対策でも、うつ病だけでなくアルコール問題も含めたメンタルヘルス対策が必要だとしている。
日本医師会は、勤務医1万人を対象にした健康に関するアンケートで、勤務医の12人に1人が精神面の支援を要する「うつ状態」にあるとの分析結果をまとめた。休日や睡眠時間の少なさに加え、患者からのクレームなどの矢面に立たされることへのストレスが大きいとして、医療機関に医療事故や患者とのトラブルでは組織的な対応を取るよう求めていく。過酷な勤務実態を受けて、医師の健康面に特化した大規模な調査は初めてという。
今年2~3月、男性勤務医8000人、女性勤務医2000人に調査票を送り、3879人から回答を得た。
最近1カ月の休日は46%が4日以下で、9%は「なし」。睡眠時間は6時間未満が41%を占め、20代では63%に上る。当直は45%が一度もなかった一方で、10%は1カ月で6回以上あった。患者対応では、46%が「半年以内に患者ら家族から不当なクレームを受けたことがある」と答えた。
大阪市民がうつ症状の程度を示す「うつ的傾向」が全国平均と比べ、著しく高いことが市の調査で分かった。大阪市は市内在住者10万人当たりの自殺者数が統計を取り始めた97年以降、04年を除いて07年まで政令市でワースト1を記録。専門家は「大阪市は中小零細企業が多く、金融危機や不況の影響を顕著に受けているのではないか」と分析している。
市は自殺の実態を把握しようと08年9月、委嘱する20歳以上の市政モニター600人に調査票を送付し、同月末までに558人(回答率93%)から回答を得た。調査では心身に関する11項目について点数を付けた。合計点が高いほどストレスが強い。その結果、大阪市の点数は、日本家族社会学会が全国約7000人を対象にした99年の全国調査の平均4.54を1.61ポイント上回る6.15だった。うつ的傾向が非常に高く、全11項目で全国平均値を上回った。男性より女性、高年齢層より低年齢層で高い傾向が出た。
警察庁は27日、今年1~6月に全国で自殺した人は1万7076人(暫定値)に上り、昨年同期より768人増えたと発表した。今年に入って6か月連続で昨年同期を上回っており、年間の自殺者が過去最悪だった2003年(3万4427人)に迫るペースとなっている。景気の落ち込みが影響しているとみられ、対策が急務となっている。
今年半年間の自殺者のうち、71%にあたる1万2222人が男性。月別では、1月が2660人(昨年比118人増)、2月2482人(74人増)、3月3084人(145人増)、4月3048人(194人増)、5月2980人(184人増)、6月2822人(53人増)。企業の決算期や派遣労働者の契約が切れる年度末に増加する傾向も見受けられる。
都道府県別で多いのは、東京都1569人、大阪府1057人、埼玉県971人、神奈川県938人、愛知県844人など。29都府県で昨年同期を上回った。増加率が高いのは沖縄県の51・3%のほか、山口県30・2%、高知県21・6%、岡山県17・5%、埼玉県16・7%など。鳥取県は19・8%減で減少率が高かった。
文部科学省は、児童・生徒の自殺に対し、学校が原因などを調べる背景調査の方法の「指針」を策定する方針を決めた。学校側が調査を十分に行わない事例や、いじめが原因であることを把握していたにもかかわらず「原因不明」と報告する「いじめ隠し」が発覚するなど、学校や教育委員会任せの調査には限界があると判断した。学校に詳細な原因調査を実施させることで再発防止につなげる狙いがある。
文科省は30日に精神科医、臨床心理士、大学教授、現役教員などをメンバーとする「児童生徒の自殺予防に向けた取組に関する検討会」(仮称)を同省内に設置。指針策定に向けた検討を開始し、来年度中に全国の小中高校に指針を示す予定だ。
県独自の自殺対策のあり方を議論する「自殺・ストレス防止対策協議会」(会長、松田尚武県医師会長)は15日、福井市内で今年度の初会合を開き、県の担当者が昨年1年間の県内自殺者数が前年より30人多い206人いたことを報告した。県健康福祉部の小竹正雄部長は「(働き盛りの)40、50代の自殺者が増加しており不況が影響していると推測される」と話し、企業が行うメンタルヘルスを支援する考えを示した。また、坂井市の東尋坊で自殺防止パトロールに取り組むNPO「心に響く文集・編集局」の茂幸雄理事長は「自殺志願者が坂井市に保護を求めても、JR福井駅までの電車賃を渡すだけなのが現状だ」と自治体の救済策の不備を指摘し、県に市の対応を改めさせるよう求めた。
東京都福祉保健局が自殺者の遺族を対象にした初めての調査で、遺族の72%が「自殺者が自殺直前に何らかのサインを発していたと思われる」と回答していたことが24日、分かった。
調査は平成20年8月~21年3月までの間、自殺者遺族を対象に実施。その結果、自殺者が生前に「死にたい」「消えたい」など自殺をほのめかす発言が「あった」と40%が回答、発言以外に自殺のサインを発していたと「思われる」が60%、両方の質問に「あった」「思う」と回答したのは72%に上った。
ただ、このうち61・1%が「当時は自殺のサインとは思わなかった」と自殺が予想外だったと回答したのに対し、当時自殺のサインだと「思った」はわずか22・2%だった。
首都圏の公立中学校を対象に東京学芸大(東京都小金井市)などが実施した調査で「うつ病の生徒がいる」と回答した学校の割合が37%に達した。精神疾患で医療機関を受診中の生徒がいる学校は84%だった。同大は「心の健康状態に問題を持つ生徒が増えている」としている。
東京都西部と埼玉県南部、神奈川県北部の47市町村の全507校を対象に08年11月から同大と民間製薬会社が共同で調査を実施し、163校から回答を得た。99%の学校が「心の健康状態に問題を持つ生徒がいる」と回答。回答を担当した養護教諭らの47%は生徒や保護者、教諭から「過去3年間に自殺の悩みを相談されたことがある」とした。
心の病気などを扱う授業について83%が「必要」と答えたが、実施している学校は30%にとどまった。
職場でのストレスが原因でうつ病などの精神疾患になったとして、2008年度に労災認定を受けた人が269人に上ることが8日、厚生労働省のまとめで分かった。過去最多だった07年度よりも1人多く、最多を更新した。このうち、過労自殺(未遂も含む)は66人。07年度より15人減ったが、依然高い水準となっている。同省では、長時間労働や成果主義導入などに加え、不況で企業間競争が激化し、過度の緊張感を強いられて「心の病」を患う人が増えているとみている。
精神疾患で労災認定を受けた人の年代別で最も多いのは30歳代の74人。20歳代70人、40歳代69人と続き、20~40歳代で全体の約8割を占めた。職種別では、システムエンジニアや医師などの「専門的・技術的職業」が69人と最多で、工場で働く労働者など「生産工程・労務作業者」51人、「事務」45人などとなっている。
企業で働くカウンセラーの約7割が、職場でメンタル面の不調を訴える人が増加したと考えていることが1日までに、日本産業カウンセラー協会のアンケート調査で分かった。景気悪化の影響で、非正規労働者の一方的な契約解除などが多く、女性が対象となっている事例が6割を占めた。調査は4月から5月にかけ緊急に実施。過去1年間に見聞きしたり、相談を受けたりした職場のトラブルについて産業カウンセラーに尋ね、136人が回答した。
雇用関連では「非正規労働者の一方的な契約解除」「退職勧告・ほのめかし」といった事例を約4割が経験。「自己都合退職の強要」も約28.7%に上った。福利厚生関連では「休暇が取れない」が55.1%。具体的には「次は自分が解雇されそうで休みを取りづらい」といった相談だった。こうした職場環境の悪化を受け、「メンタルヘルス不調者が増加した」と70.6%のカウンセラーが回答。「モチベーションの低下」は66.9%、職場の人間関係や雰囲気の悪化も約半数が指摘した。
警察庁は14日、昨年1年間に全国で自殺した3万2249人の年齢や動機などを公表した。20~30歳代を中心にした「若年層」の自殺者が増加したのが特徴で、特に30歳代は1978年に統計を取り始めてから最も多い4850人だった。
動機別では、「生活苦」「失業」「就職失敗」が前年より13~40%増え、秋以降の急激な景気後退を色濃く反映する結果となった。
今年も3月までの自殺者が8198人と昨年を309人上回っており、景気の落ち込みが長引けば、増加傾向に拍車がかかるおそれもある。
厚生労働省は6日、うつ病などの精神疾患や自殺についての労災認定をする際に用いる判断基準を10年ぶりに見直すことを決め、各労働局に通達を出した。パワハラなどが認定できるよう12項目の判断基準が新設された。
精神疾患による労災認定は、ストレスの強い順に3、2、1の3段階で判断される。強度3で新設されたのは、「ひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」という項目。これまで明確な基準がなかったパワハラによる精神疾患については、この基準で判断できるようにした。強度2では、企業の人員削減や成果主義の導入が進んできたことから、「複数名で担当していた業務を1人で担当」「達成困難なノルマが課された」といった基準を新たに設けた。
警察庁は2日、08年1年間に全国で自殺した人は3万2249人だったと発表した。過去2番目に自殺者が多かった07年(3万3093人)より844人減ったものの、11年連続で3万人を超えている。08年は、男性が2万2831人(07年比647人減)、女性が9418人(197人減)。都道府県別では、(1)東京2941人(2)大阪2128人(3)神奈川1818人(4)北海道1726人(5)埼玉1653人(6)愛知1555人(7)千葉1342人(8)福岡1311人(9)兵庫1298人の9都道府県で千人を上回った。警察庁は78年から自殺者数の統計をとっている。98年に初めて3万人を超え、03年にピークの3万4427人となった。今年に入ってからは2月末で5125人と昨年の同時期と比べ175人増えており、昨年秋以降の景気悪化の影響が出始めている可能性がある。
定例市議会一般質問への答弁で、心の病で休職にいたった市職員の数は昨年度33人に上り、過去5年間で3倍に増えていることが明らかになった。市は17日の答弁で、休職者は2003度11人、04年度20人、05年度25人、06年度37人、07年度33人、職員の自殺については、03~05年度が各1人ずつ、06年度は3人、07年度は2人と報告。
市職員課は休職者の増加傾向について「一概に職場が原因とは言えない」とする一方で、「職員数は増えずに仕事は複雑化している」とし、関連も示唆した。このほか、昨年6月に導入した、通勤訓練や慣らし勤務を行うリワーク研修の実績について、11人が受け、4人が仕事に復帰していると報告した。
都教育委員会は12日、休職中の公立学校教職員のうち精神系疾患を抱えている人が約7割に上り年々増加しているとして、対策を講じるため、精神科医や臨床心理士らによる検討会を平成21年度に設置することを明らかにした。
都教委によると、19年度の教職員の休職者は602人で、精神系疾患を抱えている人は69%の416人。15年度は60%の259人で、人数も割合も増加していた。文部科学省の調査では19年度の全国平均は62%だった。
去年1年間に自殺した人は3万2000人余りに上り、平成10年から11年連続で自殺者が3万人を超える深刻な状況にあることが、NHKの全国の警察に対する取材でわかった。警察による自殺の統計は、例年翌年の6月に公表されるが、NHKが全国47都道府県の警察に対して取材した結果、去年1年間に自殺した人は警察が把握しているだけで3万2194人に上る。
各地の警察では、今後死因が判明して自殺と断定されるケースもあるので、最終的な統計ではさらに増える可能性があるとしている。景気の悪化が深刻になるなか、内閣府や各地の自治体などでは危機感を強めている。
全国の地方公務員のうち、2007年度に「心の病」で長期間休んだ人は10年前の約4倍に増えていることが14日、総務省の外郭団体の調査で分かった。同省は「職員定数の削減で、1人当たりの負担が大きくなっているためではないか」としている。調査は都道府県、政令都市ほか計318自治体を対象に実施。警察官や教職員を除く一般職のうち「精神および行動の障害」で1ヵ月程度以上休んだ職員数などを聞いた。
人事院によると、心の病で1ヵ月以上休んだ国家公務員も、06年度で全体の1.28%と増加傾向。総務省は「国も地方も定数を増やすことはできない。研修会やセミナーなどメンタルヘルス対策を充実させるしかない」としている。
精神面でのストレスを理由とする過労労災が認められるケースが相次いでいる。2007年度には、精神疾患での労災申請が脳や心臓などの身体的疾患での申請を初めて上回った。企業の経営効率化で職場の負荷が高まったことが背景とみられるが、専門家は「精神疾患を予防する体制が整っておらず、企業の対策は後手に回っている」と指摘している。
心の健康が損なわれた場合に、専門家や医療機関に相談することに「抵抗がない」と答えた人は54%に達し、「抵抗がある」の37%を大きく上回った。「心療内科」という診療科名も定着するなか、かつて偏見を込めて論じられがちだった「心の健康」への理解が広がっていることがうかがえる。
昨年1年間に全国で自殺したのは3万3093人で、10年連続で3万人を超えたことが19日、警察庁のまとめでわかった。前年よりも2.9%(938人)増加し、2003年の3万4427人に次いで過去2番目の高水準。年齢別では、60歳以上の高齢者が全体の3分の1を超える1万2107人と過去最高になった。
職場でのストレスなどが原因で「心の病気」となったとして、2007年度に労災認定を受けた人は前年度比3割増の268人で、過去最多となったことが23日、厚生労働省の調べでわかった。このうち、未遂を含む自殺(過労自殺)も15人増の81人で最多となり、03年度の2倍超に急増している。長時間労働などで脳や心臓の病気になり、労災認定を受けた人も過去最多となり、労働環境の悪化で疲弊する人が増えている実態が浮き彫りになった。
2006年度に病気やけがで1ヵ月以上休んだ国家公務員は6105人で、このうち63%はうつ病など「心の病」が原因だったことが9日、分かった。長期病欠の理由で心の病が占める割合は01年度の前回調査(34%)に比べて大幅増。
東芝の男性社員(当時37)が2001年12月に自殺したのは、仕事による過労でうつになったのが原因であるとして、熊谷労働基準監督署が労災認定したことが1日、分かった。遺族の代理人弁護士によると同労基署は男性の妻の日記を基に、恒常的に1ヵ月当たり100時間前後の時間外労働が続いていたことを認定した。労働時間は通常、社員側と会社双方の記録を基に認定するが、妻の日記のみで認定されるのは珍しい。東芝は、「タイムカードの保存期限が経過した」などとして労働時間の記録を労基署に提出しなかったが、妻は男性の出勤時間や帰宅時間などについて詳細に日記に記録していた。
トヨタ自動車の堤工場(愛知県豊田市)で働いていた内野健一さん(当時30)が2002年に急死したのは、過重な労働が原因として、同県安城市の妻、博子さん(37)が豊田労働基準監督署長に遺族補償年金の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が30日、名古屋地裁であった。多見谷寿郎裁判長は急死と業務の因果関係を認め、不支給決定を取り消した。
都市で働く労働者の2人に1人が「ストレスが1年前より増えた」と感じていることが、連合総合生活開発研究所の調査でわかった。物価上昇を感じる人の割合も急増しており、生活が厳しさを増しているようだ。
調査は10月に実施し、首都圏と関西の10都府県の20~50代の労働者776人から回答を得た。
1年前と比べて仕事や職場でのストレスが「かなり増えた」「やや増えた」と答えた人は合計48.3%。
うつ病を発症後、出張中に宿泊先のホテルから飛び降り自殺した会社員の男性(当時47)の労災認定の適否が争われた訴訟の判決で、大阪地裁(山田陽三裁判長)は12日、「無能呼ばわりする上司の発言もストレスの要因になった」として、労災を認めた。
判決によると、男性は2002年9月から組織改革に伴い2つの役職を兼務。「両方はこなせない」と上司に訴えたが取り合ってもらえず、うつ病を発症。出張中の同年11月に自殺した。
男性営業マン(当時35)が「自殺したのは上司の暴言などパワーハラスメントによるうつ病が原因だとして、男性の妻が静岡労働基準監督署に労災認定するよう求めた訴訟の判決で、東京地裁の渡辺弘裁判長は15日、暴言と男性のうつ病発症や自殺との因果関係を認め、労災の不支給処分を取り消した。パワハラによる自殺に労災を認めた判決は初めてという。
韓国で自殺が増えている。97年末の通貨危機や格差の拡大が終身雇用や家族といった支えの崩壊を促したことが背景にある。インターネットで容易に自殺方法の情報を手に入れたり、道連れを募ったりできることも、自ら命を絶とうとする人たちの背中を押している。政府や市民団体が対策に乗り出しているが態勢は十分といえず、関係者らの焦りは深い。
政府は8日の閣議で、2016年までに「自殺率」(人口10万人あたりの自殺者数)を05年比で2割以上減らすことを柱とする自殺総合対策大綱を決定した。警察庁によると、日本は9年連続で年間の自殺者数が3万人を超え、自殺率も欧米諸国に比べて突出して高い。相談体制の充実や職場環境の整備を進め、自殺防止に総合的に取り組む。
昨年1年間に全国で自殺した人のうち、「学生・生徒」が886人(前年比25人増)と、統計を取り始めた78年以降、最多を記録したことが7日、警察庁のまとめでわかった。遺書が残っていた人の原因・動機別でも、「学校問題」が91人と前年から20人増えるなど、学校現場をめぐる問題の深刻化をうかがわせる結果になった。自殺者の総数は3万2155人(同397人減)で、9年連続で3万人を超えた。
ファミリーレストラン「デニーズ」の元アルバイト店員で神奈川県小田原市の女性(34)
が職場でのセクハラ(性的嫌がらせ)やいじめが原因でうつ病になったとして出した労災申請について、小田原労働基準監督署(神奈川県小田原市)が労災認定していたことが十七日、分かった。女性の代理人弁護士などによると、うつ病の労災認定は長時間労働など過労を原因としたものが多く、セクハラに起因するとした認定は全国的にも珍しいという。
仕事上のストレスからうつ病などの「心の病気」を抱えて2006年度に労災認定された人は前年度比61%増の205人に上り、過去最多となったことが16日、厚生労働省のまとめで分かった。このうち自殺者は同57%増の66人(1人は未遂)と、やはり過去最多。長時間労働による脳や心臓の病気で労災認定された人も最多で、働く人たちが心身共に疲弊している実態が浮かび上がった。
別々の出版社で編集アルバイトをかけ持ちしていた東京都杉並区の女性(当時26)が自殺したのは過重な労働が原因だったとして、遺族が出した労災請求について、東京労働者災害補償保険審査官は15日付で、女性の死を「過労自殺」と認めた。
自動車メーカーの男性(当時41)が自殺したのは会社が安全配慮義務を怠ったためとして男性の両親が同社に約9000万円の損害賠償を求めた。判決では「業務が原因でうつ病を発症した。会社には安全配慮義務があった」として同社に5,867万円を支払うよう命じた。自殺前の3ヶ月間に月平均約104時間の時間外労働をしたことによる過労に加え、異動などの心理的負担がうつ病発症の原因になったと認定。
過労のため保育所を退職して1ヶ月後に自殺した元保育士(当時21)の両親が労災認定を求めた行政訴訟で、国側は19日「自殺は過酷な労働が原因」と認めた東京地裁判決に対し、控訴しないことを決めた。退職後の自殺について兵庫・加古川労働基準監督署は近く労災認定する。退職後1ヶ月過ぎて自殺したケースでは初めて。
警察庁は78年からまとめてきた自殺統計の原因・動機の分類に新たに「いじめ」
や「自殺による保険支給」の項目を加えるなど深刻な自殺の実態を反映させる集計方法
へ改めることを決めた。また、自殺原因・動機は1つに限定せず、複合的な背景を浮かび上がらせるよう変更。遺族からの聞き取りだけでなく故人のメモ、裏づけのある生前の言動を根拠とする。
現状に強く不安を感じているサラリーマンとあまり感じていない人が98年度から二極化していることが、財団法人「社会経済生産性本部」の調査でわかった。格差が拡大している格好で、不安の強さを示す「不安度」の平均も、高まっている。98年は自殺者が2万人台から3万人台に増えた時期で、同本部は「金融ビッグバンや成果主義の導入など大きな社会制度の変化が背景にある」と指摘している。
同本部メンタルヘルス研究所が、91年度から05年度にかけて、毎年度大手企業の男性社員約10万人を対象に、計約140万人に調査した。
化粧品製造会社の元社員の男性(38)が左遷人事をきっかけにうつ病になり、
労働基準監督署から労災認定を受けた。精神疾患の労災認定は通常、過労を
原因にしたものがほとんどであるが、職場の処遇による例は極めて珍しい。
30代の会社員にうつ病や神経症など「心の病」が急増していることが、社会経済生産性本部メンタル・ヘルス研究所の実施したアンケートでわかった。30代に最も多いとした企業は、04年でほぼ半数だったのが、今年には61.0%に増えた。また、6割以上の上場企業が、「心の病」を抱える社員が増えたと回答した。専門家は「急速に進む成果主義や管理職の低年齢化が一因ではないか」と分析している。
同研究所は、2006年4月、全国の上場企業に「メンタルヘルス(心の健康)の取り組み」に関するアンケートを郵送。218社から回答を得た。アンケートは2年に1度実施している。
「心の病はどの年齢層で最も多いか」…
・「30代」と答えた企業が最も多く、全体の61.0%
・「40代」と答えた企業 19.3%
・「50代以上」と答えた企業 1.8%